レオナルド・ダ・ヴィンチの間 / クロ・リュセ城

   depuis  2001

ルネサンス王、フランソワ1世の招きで、
レオナルド・ダ・ヴィンチが晩年の3年間を過ごしたクロ・リュセ城。
居室兼寝室だったレオナルド・ダ・ヴィンチの間 Chambre de Léonard de Vinci のベッド。
彼はこのベッドで亡くなった (le 2 mai 1519) 。

フランソワ1世に抱かれて (庇護の下での寓意) 亡くなったという伝説があり、これをテーマとしたアングル Jean-Auguste-Dominique Ingres (1780-1867) による<レオナルド・ダ・ヴィンチの死 Mort de Léonard de Vinci (1818) >(プチ・パレ美術館所蔵) 等がある。
左に掛けられた絵がそれだ。

ロバでアルプス越えした3枚の名画、<モナリザ La Joconde (1503-06)>、<聖アンナと聖母子 La Vierge, l’Enfant Jésus et sainte Anne>、<洗礼者ヨハネ Saint Jean-Baptiste>の内
モナリザを除く2枚はクロ・リュセ城で完成された。何れもルーブル美術館所蔵。

クロ・リュセ城 Château du Clos Lucé (1500) はアンボワーズ城 Château d’Amboise と繋がっていて、部屋からの城の眺めがお気に入りだったという。

Chambre de Léonard de Vinci / Château du Clos Lucé
Chambre de Léonard de Vinci / Château du Clos Lucé

サラマンダーとアーミン / シュノンソー城

   depuis  2001

シュノンソー城の建設はフランソワ1世の時代に始まった (1513) 。
ルイ14世の間 (1650 に滞在した。) には
城主だった叔父のヴァンドーム公に後に贈る約束をしたとされるリゴー Hyacinthe Rigaud (1659-1743) 作のルイ14世像 (写真の左に額縁) 等が飾られている。
部屋に据えられたルネサンス様式の暖炉には
<サラマンダー Salamandre とアーミンHermine >が刻まれている。
サラマンダー (サンショウウオ/火中に座って水を噴く) は
フランソワ1世のエンブレムであり、アーミン (オコジョ・シロテン/毛皮模様) はブルターニュ公国 (939-1547) のエンブレムだ。
また、暖炉左右の側面には、<フランス王国のフルール・ドリス>と<ブルターニュ公国のアーミン>が交互にあしらわれている。
フランソワ1世の妻、クロード・ド・フランス Claude de France (1499-1524) はルイ12世の娘でブルターニュ (女) 公/ブルターニュ侯爵夫人だった。
二人は又従兄妹の関係。アンリ2世の母。
ルイ12世はエンブレムにヤマアラシを使用した。

 Salamandre et Hermine / François Ier et Duchesse de Bretagne:Claude de France
Salamandre et Hermine / François Ier et Duchesse de Bretagne:Claude de France

シャンボール城/フランソワ1世

   depuis  2001

シャンボール城 Château de Chambord は、ミラノ遠征後、シャトー・ド・ヴァンセンヌのドンジョンに見られる様なフランス様式にイタリア・ルネサンスの建築様式を加味して、フランソワ1世によって建設されました (1519-47) 。
その後、アンリ2世、ルイ14世が工事を継続しました。

見学の入り口になっている裏側からの写真です。中央の主塔部分と右に王の翼塔、左に礼拝堂の翼塔がありますが、手前側2基の翼塔は未完のままです。

“左右対称のようでそうではない、レオナルド・ダ・ヴィンチの設計だ”  と
ガイドさんは説明していました。元設計者は後にパリ市庁舎を建築するボキャドールです。

以前とはアクセスの前庭部が変っていて、
圧巻だった正面中央からの外観は見れませんでした。

Château de Chambord
Château de Chambord

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レダと白鳥(ゼウス) / レダの泉 Fontaine de Léda

   depuis  2001

リュクサンブール公園の<メディシスの泉>の背面に張り付けられた
<レダの泉>のレリーフ。

Fontaine de Léda / Jardin du Luxembourg
Fontaine de Léda / Jardin du Luxembourg

3角形のペディメントの下に、白鳥に姿を変えたゼウス Zeus とレダ Léda と河 (原) のユーロタス Eurotas。何れもギリシャ神話だ。

鷹から逃れるためレダの腕の中に隠れて誘惑している情景。

レダと白鳥は好んで採りあげられたモチーフで、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ギュスターヴ・モロー、クレサンジュ (ピカルディー美術館蔵) 等の絵画、彫刻がある。

ダ・ヴィンチ作の絵画<膝まずくレダと白鳥>と卵 (子供達) 、はフォンテーヌブロー宮殿の所蔵品目録に記載がある (1692) が作品は不明。
ミケランジェロのそれもルネサンス王フランソワ1世 (在位 1515-47) に送ったとされるが不明 (1530) 。

ヴァロア Achille Valois (1785-1862) の作品 (1806) で、オスマンによるレンヌ通りの新設に伴い移設された (1863) もの。

 2011.04.04.

Léda et Jupiter métamorphosé en cygne

 

2016.04.01.

フランソワ1世のアンブレーム / サラマンダー

   depuis  2001

サラマンダー Salamandre tachetée (Salamandra salamandra) /火蜥蜴は
4大元素 (土・水・空気・火) のうち火を司る精霊です。

ルネサンス王/フランソワ1世はエンブレム emblème にこれを使いました。
火のように燃え盛る勇猛と豪胆を表現しています。

フォンテーヌブロー宮殿の「フランソワ1世の回廊 Galerie Francois Ier 」で、
多数のパターンを見ることができます。

写真はその一例で、象を描いた額縁の上部に火炎に囲まれたサラマンダーが水を吹いています。下部にもフランソワ1世の F の間に、その下の椅子の背もたれにも
サラマンダーが浅浮彫りされています。

La salamandre, emblème de François Ier / Galerie Francois Ier / Château royal de Fontainebleau
La salamandre, emblème de François Ier / Galerie Francois Ier / Château royal de Fontainebleau

フランソワ1世の回廊 は装飾設計したロッソ・フィオレンティーノ Rosso Fiorentino (1495-1540)  のフレスコ画等で飾られ、彼はフランス・ルネサンス、フォンテーヌブロー派を育てました。

このフレスコ画はロワイヤル・エレファン l’Éléphant royal (1536頃) で、見え難いですがフルール・ド・リスの付いた象衣で盛装しています。額縁の頭部にあるサラマンダー (サンショウウオ) と合わせて、盛装した象がフランソワ1世自身であることを暗喩しています。

ロワイヤル・エレファンは、強さ、知恵、およびロイヤルティの持続可能性の象徴です。

サン・ジェルマン・アン・レー城

Château de Saint-Germain-en-Laye の歴史は12世紀 (1124頃) に遡る。

ルイ6世に続きサン・ルイ (ルイ9世) が拡張 (1238) 、
16世紀になって、フランソワ1世が今見られるルネサンス様式に改築した。

城の左手にアンリ2世が新城を建造、アンリ4世が拡張したので、古城と呼ばれた。新城は革命後没収され、取り壊されて土地は売却された。
アンリ4世館 Pavillon Henri IV Restaurant はその名残だ。

ロッジュ門 Grille des Loges から見た城館。城まで約400m、砂利道の向こうには大花壇が続く。手前には、写真左右の並木を持つロッジュ大通りが一直線に森を貫く。

国立考古学博物館 Musée d’archéologie nationale が入っている。

Château de Saint-Germain-en-Laye / Grille des Loges
Château de Saint-Germain-en-Laye / Grille des Loges