シュノンソー城のルイ14世 / グリフォン Griffon

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ルイ14世がシュノンソーを訪れた時に (1650) 、

Louis XIV par Rigaud / Jean Lepautre / Griffon / Château de Chenonceau
Louis XIV par Rigaud / Jean Lepautre / Griffon / Château de Chenonceau

城主だった (1624から) 叔父にあたるヴァンドーム公爵 César de Bourbon-Vendôme (1594-1665) に贈る約束をしたとされるルイ14世の肖像画である。

リゴー Hyacinthe Rigaud (1659-1743) の作品で、衣装等は異なるが、肖像はルーブル美術館 (1701) ・ヴェルサイユ宮殿 (1702) のものと同じに見える。

豪華な額縁はルイ14世様式のバロック装飾意匠の創造者の一人、ルポートル Jean Lepautre (1618-82)  の作品。

サミットに月桂樹で囲まれた王の紋章、<フル―ル・ド・リス Trois fleurs de lys>と<トランペットを吹くルノメ/名声 La Renommée の寓意像>を置き、ペルタ下のボトムに鷲とライオンの頭部を絡ませ、両サイドからライオンの足を覗かせている。

後者は、勇気と大胆、知識を象徴し、また、王家を象徴するとされた<グリフォン Griffon>を具現したものと思われる。

 右手にフル―ル・ド・リスで飾られた杖<王・君主・王権を象徴する笏/セプター Sceptre >を持っている。

7月革命記念柱にペルタ / バスティーユ広場

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Pelta / Colonne de Juillet

バスティーユ広場のモニュメント、7月革命記念柱 Colonne de Juillet のデザインの一つとしてに< ペルタ Pelta >が使われている。

ペルタは古代ギリシャ時代にペルタスタ (軽歩兵) が持った三日月形をした小型のシールド (盾) 。

円柱の上から順に「27・28・29の栄光の3日」の日付、最下段に1830の年号がペルタの中心に刻まれている。

 

 

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Pelta

 

ペルタの両横にはバリー Antoine Louis Barye (1796-1875) 作のライオンがブロンズで浅浮彫されていて円柱内部の明り取りを兼ねている。
円柱台座の四隅の<国鳥 雄鶏> も彼の作品。

ルイ14世の騎馬像 (浅浮彫) / 廃兵院

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アンヴァリッド Hôtel des Invalides のセーヌ側、
廃兵院正面の<ルイ14世の騎馬像 (浅浮彫)>

ローマ皇帝の衣装を纏い、左に<手鏡と蛇で慎重と知恵・ファスケスで権威>右に<天秤で正義・剣で権力>を示し、台座には「ルイ大王  1675年建設」等の記載がある。

アーチ部分には、中央に大陽王ルイ14世を置き、周りに傘下に収めた地方の紋章 / シールド(盾)を配しているものと思われる。ペルタやファスケスが見てとれる。

コンコルド広場の<マルニーの馬>の彫刻家ギヨーム・クストゥ Guillaume Coustou (1677-1746) の作品 (1735) 。フランス革命で破壊されたが、
Pierre Cartellier (1757-1831) によって復元された (1815) 。

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パリの市章 / オテル・ポトツキー

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慎重・雄弁・伝令のシンボルであるカドゥケウス Caducée にパリの市章を置いている、。カドゥケウスはギリシャ神話のエルメスが持っている杖 (蛇に咬まれた傷を治す) で、頂部に翼を付け、柄に蛇が巻き付いている。
現在、イル・ド・フランス商工会議所として使用されている オテル・ポトツキー Hôtel Potocki はポーランド貴族ポトツキーの依頼による、ジュール・ルブール作の古典主義建築 (1884) 。
市章 (商工会議所の紋章かもしれない) の下の要人用扉はブロンズ製の透かし彫りで、ペルタとファスケスをアレンジしたようにも見える。ジュール・ルブールのデザインに基づくクリストフルの制作。

ペルタ Pelta (小楯)とファスケス Fasces (束桿)

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1594古代ローマから帝政ローマの時代に至るまで、インペリウム (命令権) を持つ執政官の警護をしたリクルトが<権威の標章>として捧げ持ったのがファスケス
ペルタは古代ギリシャ時代にペルタスタ (軽歩兵) が持った三日月形をした小型のシールド (盾) 。

フランスのパスポートで使われている国章 (非公式) はこの二つの組み合わせだ。

写真はフランス国防省のサンジェルマン大通りに面した入口の扉。上部に永続を象徴するオークで飾られた<ペルタ>。その下に<ファスケス>。斧は扉の両面で刃先を対峙させている。権威/勇猛のライオンがその下に。
陸軍省のプレートがそのまま残されている。

フランスの国章

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フランスの国章
フランスの国章

Poland Flag  日本の国章は慣例上、十六弁八重表菊紋という皇室の紋章 / 菊花紋章 だが、フランスも公式の国章を持っていない。パスポート等には写真右にある 紋章 Emblème が使われている。

オリジナルは 外務省で1912年から使用しているエンブレムで (1953年以降現在のもの) 、写真のバルコニーに取り付けられているのがそれ。ポーランドの京都 / クラコヴィのフランス総領事館 Consulat général de France à Cracovie (左下の上に銘板あり) のもので、総領事館の文字が付置されている。

シールドにはライオンと鷲の頭を乗せた<ペルタ>の中心にフランス共和国を表す モノグラム RF、背後に <リクトルの束桿 / ファスケス> を縦に置き、月桂樹とオークの小枝を十字に配す。

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